「スポーツジムに通うなど体を動かすことは好きでしたが、駅の階段を上るのもおっくうになっていました。とにかく体がだるく、漢方や栄養ドリンクをたくさん飲んでいました」(女性)

 当時、アパレルショップで働いていたが、立ち仕事はつらいと自らアルバイトに降格し、週3勤務に。それもつらくなり、座り仕事を求めて転職もした。

「仕事中に貧血で倒れ、座り仕事も失いました。かかりつけ医の耳鼻科に相談すると、めまいや吐き気を繰り返すメニエール病と診断され、自宅療養に。仕事に復帰するために、たまたま受けた健康診断の血液検査で白血病とわかりました」(同)

 前出の臼杵さんはこう話す。

「『慢性』白血病に比べ、進行の早い『急性』白血病は1対4程度の割合で多い。白血病に気づく段階になると、有無を言わせず入院となる一刻を争うケースが大半で、急性白血病にステージという考え方はありません。例えば風邪の症状が出ても、それが普段の風邪とは違う異常な症状だと知るには時間がかかり、どうしても白血病に気づくのはギリギリの段階になります」

 早期発見はしたいが、風邪をひくたびに血液検査もできない。

「普通のだるさではなかったですが、白血病とつながらなかった。基本的症状を知っていても、気づくのは難しかったでしょう。血液検査で白血球を確認しておくことが大切です」(女性)

(編集部・澤田晃宏)

AERA 2019年3月11日号より抜粋