Soo-Young/1990年、韓国・広州生まれ。2002年、日韓アイドルデュオ「route0(ルート・ヨン)」として日本デビュー。07年、少女時代のメンバーとして韓国デビュー。本作が初主演作(撮影/植田真紗美)
Soo-Young/1990年、韓国・広州生まれ。2002年、日韓アイドルデュオ「route0(ルート・ヨン)」として日本デビュー。07年、少女時代のメンバーとして韓国デビュー。本作が初主演作(撮影/植田真紗美)
この記事の写真をすべて見る
「デッドエンドの思い出」/チェ・ヒョンヨン監督の長編デビュー作。2月2日から名古屋先行公開。全国順次公開中 (c)2018 「Memories of a Dead End」 FILM Partners
「デッドエンドの思い出」/チェ・ヒョンヨン監督の長編デビュー作。2月2日から名古屋先行公開。全国順次公開中 (c)2018 「Memories of a Dead End」 FILM Partners
「白河夜船」発売元:キングレコード/ユマニテ、販売元:キングレコード/価格1900円+税/DVD発売中 (c)2015 よしもとばなな/『白河夜船』製作委員会
「白河夜船」発売元:キングレコード/ユマニテ、販売元:キングレコード/価格1900円+税/DVD発売中 (c)2015 よしもとばなな/『白河夜船』製作委員会

 AERAで連載中の「いま観るシネマ」では、毎週、数多く公開されている映画の中から、いま観ておくべき作品の舞台裏を監督や演者に直接インタビューして紹介。「もう1本 おすすめDVD」では、あわせて観て欲しい1本をセレクトしています。

【映画「デッドエンドの思い出」の場面写真はこちら】

*  *  *

 名古屋で働く婚約者に会いに韓国からやってきたユミ。婚約者の家を訪ねてみると、見知らぬ日本人女性が同居していた。別れを告げられあてどなく街をさまよい、ふと見つけたゲストハウス兼カフェ「エンドポイント」に滞在するうちに、そこに集まる人々、流れる時間にゆっくりと癒やされていく──。

 30歳を目前に異国の地で失恋した女性の喪失と回復を描くこの映画の原作は、よしもとばななさんが自作の中で一番好きだという「デッドエンドの思い出」。ユミを演じたスヨンさんは、以前からよしもとさんの大ファンだったという。

「よしもとさんは韓国でも、とても人気があります。原作はいろいろな教訓がこもった作品で自分も癒やされましたし、ぜひこの役をやりたいと思いました」

 突然の裏切りに動揺するシーンでは、スヨンさんの姉が主人公と同様の経験をしており、その時の記憶を役作りの参考にしたという。

「姉は泣いたり怒ったりするのではなく、『こんな感じだったんだよ!』とおもしろおかしくその経験を話していました。悲しみや怒りをすぐ実感するというよりも、自然な感じで周りに話をしてから、一人になった時に泣いてしまう……姉のことを思い出して、そういう演技アイデアが出てきました」

 2007年にアイドルグループ・少女時代のメンバーとしてデビューしたスヨンさんだが、幼少期を日本で過ごしたこともあり日本語も堪能だ。日韓の俳優が共演する本作。婚約者役をアン・ボヒョンさん、カフェ「エンドポイント」のオーナー・西山役は、名古屋を拠点に活動するグループ、BOYS AND MENのメンバーの田中俊介さんだ。

「田中さんとは同じ年齢で、グループ活動とお芝居をしているという共通点があって、お互いに共感できました。共演者とも、撮影後にみんなでご飯を食べたり、修学旅行に来たような楽しい撮影でした」

次のページ