JAPOCマーク/花粉問題対策事業者協議会(JAPOC)の認証マーク。基準制定プロセスには有識者による査読やパブリックコメント募集も含まれる(JAPOC提供)
JAPOCマーク/花粉問題対策事業者協議会(JAPOC)の認証マーク。基準制定プロセスには有識者による査読やパブリックコメント募集も含まれる(JAPOC提供)

 根治を目指したいが、時間がかかる。すでに飛び始めた花粉に、今すぐ対策したい。見回すと街にあふれる花粉対策グッズたち。 あれもこれもと手を出したくなるが、 本当に効果があるのはどれ?

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 コンビニに並んだマスク。パッケージの片隅に見慣れないマークがある。「JAPOC」って、何?

「花粉問題対策事業者協議会(JAPOC)では、参加企業の製品について、一定基準の試験をクリアした製品にJAPOCマークを認証しています。これは協議会で定めた試験方法に基づく性能測定によって基準を満たしていることを示したもの。より信頼性の高い商品だと認識していただければと思います」

 そう話すのはJAPOC事務局の佐川健太郎さん(57)。

 一般的に花粉の大きさは直径30μm(マイクロメートル)といわれるが、佐川さんによると、屋内に持ち込まれた花粉のほとんどが「砕けた状態」。小さく砕けてもアレルギーの原因になることに変わりはない。そのため、より微細なPM2.5(粒径2.5μm以下)に対応できるレベルの防御策を業界の垣根を越えて模索しているのがJAPOCだという。

 JAPOCは2012年、ダイキン工業やユニ・チャーム、特定非営利活動法人・産学連携推進機構らが発起人となって設立された。森林総合研究所などの研究機関とも連携、文部科学省、農林水産省(林野庁)、経済産業省の賛同も得た、産・官・学の共同事業だ。19年2月現在で、参加企業は14社(準会員を除く)。その顔ぶれは電機、衛生用品、メガネ、繊維、製薬など多岐にわたる。

「花粉対策商品は『花粉を99%以上、除去』などと効果をアピールしていますが、基準はまちまちでした。JAPOCでは各企業の分野を超えて、測定基準の策定・見直しを進めています」(佐川さん)

 JAPOCによると、花粉対策のプロセスは(1)生成、(2)飛散、(3)曝露(ばくろ)、(4)発症の4段階に分けられる。わかりやすく言えば(1)まず花粉ができにくくする→(2)飛ぶ量を測定する→(3)飛んでいても触れないようにする→(4)触れても発症しないようにする──という意味だ。

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