撮影/今村拓馬
撮影/今村拓馬

 もはやYouTubeなしの生活は考えられないという人は多い。スマホをいじれば、自分の興味に合うチャンネルをいつでも何度でも見られるという愉悦。その存在感はテレビ以上。人気の背景を探った。

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 客席では7色のペンライトが光り、投げ入れられたタオルにひときわ高い歓声があがる。マイクを手に歌を歌うのはYouTuber(ユーチューバー)たち。

 昨年11月に開催されたU-FES(ユーフェス)2018プレミアムステージは、HIKAKIN(29)、はじめしゃちょー(25)など、多くの人気YouTuberが所属するUUUM(ウーム)とTOKYO MXの共催イベントだ。

 チームに分かれてのクイズ企画やゲーム対決など、普段動画の中でしか目にできないYouTuberがネットの世界から飛び出してステージを盛り上げた。客席の中心は10代の女子。ステージ上の一挙手一投足に歓声があがる。

「ユーチューバー草なぎチャンネル」を配信する草なぎ剛(44)もサプライズゲストとして登場。2018年10月にはお笑いコンビ、キングコングの梶原雄太(38)が「カジサック」としてYouTuberデビューするなど、芸能界からのYouTube進出も相次いでいる。

 YouTubeというメディアの存在感が日に日に増し、特に若い世代にとって日常的に最も接触するメディアのひとつになった。この熱狂の正体は何か。

 かつての銀幕のスター、憧れのアーティスト、といった存在と決定的に違うのが「ファンとの距離感」だと説明するのは、U-FES.の統括責任者であるUUUM執行役員の笠原直人さん。

「かつてスターといえば一方的な憧れの対象でしたが、YouTuberは、半歩ぐらい離れた隣のお兄さんというような感覚。動画のコメント欄やSNSでたまに返信をくれたりする。疑似的ではあるけれど自分の生活の中に入り込んでいる人としてとらえられている」

 U-FES.の最中、ひときわ大きな歓声を集めていたのが東海オンエアだ。愛知県岡崎市を拠点に活動する6人組で「1週間でとにかく太った方が勝ち」「3日間1日100歩生活」などの体を張った企画が人気だ。

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