祭りでは足りない? 地方の商店街が「儲かる」ための方法は (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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祭りでは足りない? 地方の商店街が「儲かる」ための方法は

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中原一歩,東川哲也AERA

【岡崎まちゼミの会代表】松井洋一郎さん(50)/個人商店の強みは商売を通じて培ってきた知恵と技術。まちゼミ効果で後継ぎが戻ってきたという店舗もある(撮影/写真部・東川哲也)

【岡崎まちゼミの会代表】松井洋一郎さん(50)/個人商店の強みは商売を通じて培ってきた知恵と技術。まちゼミ効果で後継ぎが戻ってきたという店舗もある(撮影/写真部・東川哲也)

 近年、空き店舗が目立つようになった地方の商店街が、活気を取り戻そうと様々な取り組みを行っている。祭りやイベント開催などもその一つだが、それだけでは店舗の経営向上につながらないことも。商店街が「儲かる」ために、街の化粧品店を経営する男性がとった方法とは。

*  *  *
 徳川家康の生誕地として知られ、かつては名古屋に次ぐ商業の集積地として栄えた愛知県岡崎市。しかし、平成に入り、郊外には大型ショッピングモールや全国チェーン店が出現し、ネット販売が当たり前になると、最盛期には市内13カ所の商店街内に800あった商店も半数にまで減少。残った商店街でも空き店舗が目立つようになった。

 こうした商店街の課題に対し、多くの地域で実践されたのがお祭りやイベント、大売り出しなどを駆使し、商店街にもう一度、足を運んでもらう施策だ。つまり「賑わい」を取り戻すこと。しかし、岡崎まちゼミの会代表・松井洋一郎さん(50)は、単純に賑わいを取り戻しただけでは、商店街の根本的な復活にはつながらないと自らの体験を重ねて話す。松井さんは岡崎市で90年以上続く化粧品店の4代目店主でもある。

「市外からお客さんが来て、賑わいが復活しても私の経営する街の化粧品店の経営体力の向上にはつながりませんでした。つまり、儲からないんです。市民の消費行動そのものが変化していることが直接的な理由だと思います。最も深刻なのは、離れていく以上に、商店街が新規のお客様をとれない場所になっていたことでした」

 松井さんは考えた。どうすれば商店街は儲かるのか。新規の顧客は増えるのか。その課題を解決したのが、商店街の店主やスタッフが講師となって、専門店ならではの知識や情報、暮らしのコツを店内で無料で教える「得するまちのゼミナール」、通称「まちゼミ」という参加型のイベントだった。20店舗が参加することがまちゼミの条件だ。

 各店の店舗で行われるイベントの参加費は無料。さまざまな業種が集積する商店街だけに、その講座の内容はバラエティーに富む。たとえば、「お寿司屋さんが教える魚のさばき方」「本屋が教える本の読み聞かせ方」といった具合だ。1回の参加人数は、多くても10人程度。だからこそ親密なコミュニケーションをとることができる。


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