対して、月1万円ずつ10年間つみたて投資をした場合、金融商品の価格が下がれば、その分たくさん買えるので、運用の途中で暴落があっても資産を大きく増やせます。

 資金を時間的に分散して投資することで、金融商品の価格下落リスクを回避できているんです。

――実際に投資をはじめて、成功された方はいますか?

 当初は貯金が150万円だった方が、3000円でつみたて投資をはじめて、10年間で約2000万円近くまで資産を増やした例があります。

 その方の場合、年間100万~150万円の貯金ができていたので、実際に投資で増やしたのは300万~400万円。皆さん、誤解されているんですが、3000円や5000円はあくまで「それでスタートしよう」という試運転開始時の金額です。

 まずはじめることが大切で、途中からボーナス時に多めに投資するなど、金額を増やさないと、さすがに数百万円から数千万円という資産は築けません。

――5000円つみたては、あくまで投資スイッチを入れるきっかけということですね。

「節約して投資に回すお金を少しでも増やそう」と、家計を見直すスイッチになることがつみたて投資の大きな効果なんです。

『貯蓄から投資へ』なんて正論を言われるよりも、月々の支出を5000円削って投資してみたら、これだけ増えた。そうなると、『あと5000円削って投資に回してみようかな』というやる気が起こるもの。少額つみたて投資は家計を絞る、という面でも一役買っていると思いますよ。

(経済ジャーナリスト・安住拓哉、伊藤雅浩)

※アエラ増刊『AERAwithMoney毎月5000円でつみたて投資!』の記事に加筆・再構成