部屋選びに妥協は禁物だ【実際と同じ時間帯に通勤を体験】(AERA 2018年10月22日号より)
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部屋選びに妥協は禁物だ【駐車場の車から住民像を推測】(AERA 2018年10月22日号より)
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部屋選びに妥協は禁物だ【物件確認はニオイまで徹底的に】(AERA 2018年10月22日号より)
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部屋選びに妥協は禁物だ【押し入れを開け天井のシミもチェック】(AERA 2018年10月22日号より)
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 新築より安いといっても数千万円の買い物。「こんなはずじゃ」は避けたい。この道40年のベテラン記者が、後悔しない物件の選び方を指南する。

【物件選びの極意はこちら】

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 新築マンションにはない中古マンションの魅力の一つが「実物を見学できる」という点だ。

 新築は多くの場合、着工直後に販売が始まり、完成するのは1年先は当たり前で、大規模物件なら2年先、3年先のこともある。実際に住む部屋どころか、建物すら見られないのがふつうだ。

 それに対して、中古マンションは当然ながら完成済み。今住んでいる人がいる場合もあるが、基本的には何軒でも自由に見ることができる。そのメリットを生かさない手はない。

 中古マンションといっても、築年数、価格帯、エリアなど様々な違いがある。それらを見極めるためにも、少なくとも5軒程度は実物を見学して「見る目」を養いたい。まずは、ネットなどの情報を活用して物件を絞り込んだ上で、現地に足を運ぶ。その際のチェックポイントを整理してみよう。

 まずは、物件から職場、学校など家族が通う先までの交通アクセスだ。

 通勤・通学時間帯の所要時間、混雑度などは物件説明をうのみにせず、実際に体験しておきたい。表記されているのは昼間の混雑しない時間帯の所要時間である上、乗り換え時間は含まれないことも。「〇〇駅まで30分」とあっても、実際には40分、50分かかる例もある。

 駅からの徒歩時間は80メートル=1分として計算されており、信号や踏切の待ち時間、坂道などは考慮されていない。しかも駅の改札口やホームまでではなく、最寄りの出口からの距離で計算している。大規模駅や地下深くにホームがある駅などでは、所要時間が大きくずれることもあり得る。

 曜日や天候によって駅周辺の混雑度などが極端に異なることもあるので、休日だけではなく平日にも足を運び、実際の通勤時間帯に自分の足で体感してみるのが安心だ。

 できれば雨の日もみておきたい。小さな子どもや若い女性がいる場合には、駅前の繁華街の雰囲気、夜道の街灯なども確認しておこう。

 次は物件の立地環境だ。環境は自分たちの手でどうにかできるものではないし、一朝一夕には変わらない。現状をしっかりと把握し、役所で将来の都市計画なども確認しておくといい。

 買い物や金融機関などの生活利便施設、小中学校などの教育施設、公園や緑地なども自分たちの目で確認するようにしたい。小中学校に関しては、近くにある学校が学区ではないこともあるので要注意。近所の人たちに、通学することになる学校のレベルなどの評判を聞いておくと安心だろう。

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