■書店員さんオススメの一冊

『デジタルの未来 事業の存続をかけた変革戦略』は、デジタル・マッキンゼーのB2B領域のディレクターであり、マッキンゼーで中小規模の成長企業向けイニシアティブを始めたユルゲン・メフェルト氏らによる著書だ。八重洲ブックセンターの川原敏治さんは、同著の魅力を次のように寄せる。

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 どんな会社でもデジタル化の波が容赦なく押し寄せているが、本書が提示するデジタル化は、そんな小さな話ではない。業界のリーダー企業こそ、自ら成功しているビジネスモデルを破壊し、市場で勝ち残っていくためのデジタル化が必要だと説く。一部を変えるのではなく、全体を基盤から作り替えなくてはならない理由や、残された時間もわずかで待ったなしの状態であることから、「デジタル化は選択肢ではなく、企業が生き残るための唯一の方法」とまで言い切る。

 著者は、アマゾン、グーグルなど、デジタルの申し子のような企業たちが既存のビジネスモデルを破壊し、成長していくさまをつぶさに見ているコンサルタント。だからこそ、そこまで言い切れるのであろう。実際の業種別の導入事例も紹介されており、とても参考になる一冊。

AERA 2018年10月15日号