ヒップホップ・アクティビストのZeebraさんが「AERA」で連載する「多彩な野菜」をお届けします。1997年のソロデビューからトップとしてシーンを牽引し続け、ジャンルや世代を超えて多くの支持を得ているZeebraさん。旬の野菜を切り口に、友人や家族との交流、音楽作りなど様々なエピソードを語ります。
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シャキシャキとした歯ごたえも、独特の香りとほろ苦さも、幼稚園のころから大好きでした。でも僕にとってセロリって、もう一つ大きな意味があります。
僕のライブのバックDJで、代表曲の一つ「Street Dreams」も作ってくれたDJ CELORY(セロリ)。四つ年下ですがデビューが同時期で、20年来の付き合いです。ほっそりして筋っぽくて、当時頭がアフロだったので、彼がいたグループのフロントマンから命名されたそうです。初めて会ったとき、「俺、セロリ好きだよ?」って心の中でつぶやきました。こんなに深く付き合うとは思いませんでしたけど。
彼はトランペットを演奏していたこともあって、音楽性がすごく高い。きっちりしていて礼儀正しくて、それでいてフランク。力の抜きどころがわかっている、クレバーなタイプです。セロリっていう名前に柔らかいイメージがあるからか、彼が厳しいことを言っても角が立たないんです。名前で得しているなって感じます。それはジブラ(シマウマ)も同じかな。なぜ僕がジブラなのか、という話は次回にしましょうか。
※AERA 2018年10月8日号