「本土が分断を生んだ」 県論を二分した沖縄県知事選

2018/09/29 10:20

 米須さんは、知事選で問われたのは「沖縄とヤマト(本土)の関係」だと感じている。

「このままでいいのかと考えざるを得ない状況に追い込んだのはヤマトの側です」

 政権が推す佐喜真淳氏に投票した人でも、新基地を望む人は少ない、と考えている。

「沖縄で積極的に基地を肯定する人は一握りです。そのことを沖縄の人は互いにわかっているから、今後も分断されることはありません」(米須さん)

 分断は沖縄内部ではなく、基地問題解決の壁となって立ちはだかる本土との間にある。

 米須さんの陳情行動には「ネタ本」がある。全国の議会への陳情を提唱する『沖縄発 新しい提案』だ。5月にボーダーインクが出版。中心になって執筆した那覇市在住の司法書士、安里長従さん(46)はこう話す。

「多くの県民が感じている怒りを、スローガンではなく、できる限り理性的な言葉で論理的に説明したのが本書です。多くの市町村で陳情が採択されれば、『辺野古が唯一』という政府のロジックは使えなくなります」

 憲法で保障された権利や民主主義の原則が、沖縄では適用されていない。この不満は職業や年代を超えて共有されている。知事選で問われたのは、こうした「沖縄と本土の自由の格差」だと安里さんは言う。

「基地や貧困、教育はこれまで別々の問題だと認識されていましたが、『沖縄の自由が奪われている』ことが根本要因だと認識されるようになりました」

 こうした認識が県民の間にどれだけ浸透したのか。それが知事選の結果に反映される、と安里さんは見る。(編集部・渡辺豪)

AERA 2018年10月7日号

1 2

あわせて読みたい

  • 「組織で白眼視されている」創価学会員が沖縄県知事選で反旗

    「組織で白眼視されている」創価学会員が沖縄県知事選で反旗

    AERA

    9/11

    翁長沖縄県知事が死去 安倍政権との戦いで満身創痍 知事選前倒しへ

    翁長沖縄県知事が死去 安倍政権との戦いで満身創痍 知事選前倒しへ

    AERA

    8/8

  • フェイクニュース飛び交う中、沖縄県知事選が告示 保守VS革新の一騎打ち

    フェイクニュース飛び交う中、沖縄県知事選が告示 保守VS革新の一騎打ち

    dot.

    9/13

    デニー沖縄県政が始動 菅官房長官と学会の勝利の方程式瓦解で参院選と改憲に赤信号

    デニー沖縄県政が始動 菅官房長官と学会の勝利の方程式瓦解で参院選と改憲に赤信号

    dot.

    10/4

  • 沖縄県知事選“学会の乱”で玉城氏支持が続々 安室奈美恵の翁長コメントに官邸「けしからん」

    沖縄県知事選“学会の乱”で玉城氏支持が続々 安室奈美恵の翁長コメントに官邸「けしからん」

    dot.

    9/28

この人と一緒に考える

コラムをすべて見る

コメント

カテゴリから探す