「例えば3千万円の火災保険に地震保険を付けていれば、最高1500万円という、家の建て替えも不可能ではない高額の補償も可能でしょう。その代わり保険料は跳ね上がり、年間で数万円から十数万円になるのも一般的。保険料に大金は払えないものの、補償ゼロよりずっといいと、ミニ保険を選ぶ人も増えています」

 一方、ミニ保険にはリスクもある。保険会社が破綻した場合、基本的には契約者の保護がなされないとされているのだ。ただし金融庁の指示によって、契約数や保険料などの規模に応じた供託金を積んでいる。いざという場合に、まったく保証されないわけではないという。
 とにかくまずは、自分が加入している火災保険がどんな契約なのか、チェックするのが先決だと畠中さんは言う。

「住宅ローンを払い終えたとたん気が抜けて、火災保険の更新をし忘れている人は意外に多い。そうして火災保険に加入し直す人は特に、ミニ保険の検討がお勧めです」

 事が起こってから「しまった」ということにならないよう、自身の保険チェックから始めよう。(ライター・福光恵)

AERA 2018年10月1日号