畠中雅子(はたなか・まさこ)/ファイナンシャルプランナー。第1子出産後に大学院へ進学し、修士課程では保険、博士課程では金融を学ぶ (c)朝日新聞社
畠中雅子(はたなか・まさこ)/ファイナンシャルプランナー。第1子出産後に大学院へ進学し、修士課程では保険、博士課程では金融を学ぶ (c)朝日新聞社

 登山などで遭難したときの救助費用を補償したり、通院中と見なされて入れないことが多い妊活中の医療保険だったり、どうしても行けなくなったコンサートのチケットの費用を補償してくれたり……などなど。昨今、こんなピンポイントの保険が実際に存在して、人気を呼んでいるらしい。「少額短期保険」、いわゆる「ミニ保険」だ。

 人気の秘密は、なんと言っても安い掛け金で、手軽に入れること。わずか1社だが、万が一の自然災害に対応したミニ保険もある。詳しく紹介する前に、まずは「ミニ保険」について、もう少しおさらいしておこう。ミニ保険に詳しいファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんに聞いた。

「その名の通り少額の保険金で、1~2年更新の短期の補償をする保険のことですね。“かゆいところに手が届く”商品が多いのが特徴です。2006年の保険業法改正で制度が創設されて以来、金融庁から認可を受ける形で、さまざまな種類のミニ保険が登場するようになりました。現在約100社のミニ保険が存在しています」

 そんな保険界の新ジャンルといえるミニ保険のなかでも、第1号となったのが、SBIリスタ少額短期保険の地震補償保険「リスタ」だ。現在日本で入れる、自然災害に対応する、唯一のミニ保険となっている。

 リスタの正式名称は「地震被災者のための生活再建費用保険」。主に避難生活にかかる費用や、壊れたものの除去、処分にかかる費用などを補償してくれるという。まずは同社のホームページで、簡易見積もりを取ってみた。

「東京都内」の「木造住宅」に、「2人世帯」で暮らしている自分の場合、全壊したときの補償額は最大500万円で、月々の保険料が「2320円」。これが4人家族なら、最大補償額は700万円で、月々の保険料は「2840円」に。地震が原因なら、津波や火災、土砂災害、地盤沈下などの被害も補償されるという。

 たしかに掛け金は安いが、500万円や700万円では、全壊した家の建て替えには足りない気もする。ミニ保険は単独で加入可能だが、前述の通り、一般的な地震保険は、火災保険とセットでしか加入できないのが基本。またそうして加入しても、地震保険は火災保険の半額までしか補償されない。

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