メルカリはキッズフリマをこれまで19回開催してきた。その狙いを、

「フリーマーケットを通じて、モノを大切にする心や、金銭感覚、交渉を通じてのコミュニケーション能力を育てること」

 と説明する。

 参加した子どもたちのアンケートには、

「自分がいらないものでも必要としている人がたくさんいることがわかった」
「モノを置く位置を工夫したら売れた」
「わかりやすいように値段ごとに並べた」
「モノを売るのは大変だと思った」

 といった回答が並んだ。マーケティングという言葉はまだ知らなくとも、買い手の視点で工夫をこらすなど商売の「いろは」を体感したようだ。

 情報セキュリティー大手のデジタルアーツが実施した「未成年者の携帯電話・スマートフォン利用実態調査」(2018)によると、高校生では女子の46.6%、男子の35.9%がメルカリを利用しており、男子の68%、女子の63.1%が「(ポイント交換など)ネットでお小遣いを稼いだことがある」と答えている。

 子どもはいずれネットでの取引に触れる。であれば、親の目が届く早いうちから一緒に試行錯誤し、リテラシーを身につけるのに越したことはないだろう。(編集部・高橋有紀)

AERA 2018年9月10日号より抜粋