寝ている間にお金が増えていればいいのに(※写真はイメージ)
寝ている間にお金が増えていればいいのに(※写真はイメージ)

 寝ている間にお金が増えていればいいのに──。そんな夢をかなえるかもしれないしくみが、外貨を取引するFX(外国為替証拠金取引)の自動売買だ。FXでは「証拠金」を担保に、その最大25倍の金額の外国通貨を売買できる。FXブロガーのゆきママさんはこう説明する。

「FXの自動売買は、ストラテジーなどと呼ばれるシステムを選んで稼働させる『プログラム売買』と、自分で設定した値幅で自動発注してくれる『リピート型』に分けられます」

 プログラム売買を提供しているFX会社ではストラテジーを数多く用意している。たとえばインヴァスト証券の「シストレ24」では、運用成績のランキングや好不調、勝率などの状態を示すアイコンがつくので、これを参考に選ぶ。

 一方、リピート型は「買いか売りか(上がるか下がるか)」という取引の方向と値幅を設定すれば、自動発注が繰り返される。為替は上下小刻みに揺れながら動くもので、その小さな値動きを利益にして積み上げていくしくみだ。いずれも、仕事中や寝ている間も取引を任せられるメリットがある。

 ただし、完全ほったらかしはNGで、成績が下降してきたストラテジーを入れ替えるといったメンテナンスは必須だ。

「普通のFX取引が赤ちゃんだとしたら、自動売買はペットぐらいのイメージ。常に目配りする必要はないけど、1日1回ぐらいはお世話しないと」(ゆきママさん)

 自動売買は人間が犯しがちなミスを防ぐ効果もある。FXで成功するには、失敗時には早めに取引を終わらせて損失を抑える一方で、利益はできるだけ伸ばす「損小利大」が鉄則だ。しかし個人投資家は利益が出るとあせって確定し、予想と逆行すると、「待てば戻るかも」と放置して損失を拡大させてしまう。これが失敗の典型パターンだ。

「自動売買ならこうした感情が入る余地がないので、大きな失敗をしにくくなります」(同)

 ズボラな上に家事や育児に忙しい記者も、これならできるかもしれない。問題はどの自動売買を選ぶかだ。手軽だが何を基準に取引するかがわからないプログラム売買より、自分で設定するリピート型のほうが気になった。ただし、自動売買は自分で発注する裁量取引よりも取引コストが高いのがデメリットでもある。

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