そこで記者が選んだのは、SNS上で話題になっていた「グルグルトレイン(グルトレ)」という手法だ。自分でリピート型自動売買を手作りする方法で、個人投資家の川崎ドルえもんさんが開発した。

 どのFX会社でも買値(売りから入る場合は売値)と利益確定のレートをあらかじめ指定する「イフダン注文」という機能があるので、これを10銭ごとに、売りと買いの両方向に100個以上ずらりと注文しておくのだ。最初の作業は大変だが、稼働させてしまえば後は決済された注文を再設定するだけなので、1日5分の管理で済む。

 川崎さんは「500円の利益を出すイフダン注文が1日4個ぐらい決済され、1カ月で5万円程度の利益が平均的な成績」と説明する。記者もさっそく虎の子の100万円を用意し、値幅が小さくお薦めという豪ドル・円で円高の方向にかけて稼働させてみた。すると確かに毎日2千円ぐらいの利益がチャリンチャリンと確定されていく。為替相場が大きく動くと1万円ぐらい儲かることもあり、スマホで口座をチェックするのが楽しみになった。逆に、相場がまったく動かず利益ゼロの日もあって、そんな時はガッカリする。

 ただし、リピート型は未決済の含み損(確定前の損失)を抱えやすいのが難点。記者の口座でも含み損が10万円を超えギョッとすることもあったが、含み益が出ることもあり常に変動していた。川崎さんは「含み益が出ているタイミングで終わらせて」とアドバイスする。

 スタートから5週間。決済された利益の合計が7万5174円、含み損が1万2947円で、6万2227円のプラス。この間、豪ドルはいったん上昇してから元に戻っただけ。スタート時とほぼ同じレートなのに想定通りの成果が出たのが驚きだ。

 寝ている間にも「チャリンチャリン」を実現する自動売買。うまく活用すればいいお小遣い稼ぎになりそう。ただし投資は余裕資金と自己責任で!(ライター・森田悦子)

AERA 7月9日号