元本防衛で人気「損失限定型ファンド」に潜む意外なデメリット (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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元本防衛で人気「損失限定型ファンド」に潜む意外なデメリット

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笹谷清太郎AERA#お金

それぞれの運用方針などが書かれた目論見書。投信を買わなくても、運用会社のホームページでPDFファイルの閲覧、ダウンロードができる

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 最近の売れ筋は損失限定型ファンド。外資系のアムンディ・アセットマネジメントが運用するSMBC・アムンディ プロテクト&スイッチファンド(あんしんスイッチ)である。昨年7月に運用が始まり、純資産は2336億円(6月25日現在)と、わずか1年足らずで急速に資金を集めた。今年4月からは三井住友銀行とSMBC日興証券に加え、野村証券でも販売している。

 商品構成は世界中の株式や債券などに分散投資する「バランス型ファンド」。それ自体は珍しくないが、この投信には「プロテクトライン」と呼ばれる下限値が設定され、顧客の最大損失を抑えられるメリットがある。

 基準価額1万円で運用がスタートし、プロテクトラインの9千円を下回ると運用中止。投信は全額償還(運用終了)され、お金は投資家に返される。基準価額が1万600円以上になるとプロテクトラインは1万円に引き上げられ、いったん上昇したプロテクトラインは決して下がらないルールを採っている。

 基準価額の下落に備えてフランスの大手銀行クレディ・アグリコルと保証契約を結んでいるので、ある程度の安心は保証されている。

 この方法だと、最悪の場合にどの程度の損失が発生するか読みやすい。元本保証の定期預金に慣れきった日本人には、「リスク限定」という言葉が強力な集客効果を発揮するようだ。

 ただ、リスクとリターンは常に表裏一体の関係にある。リスクを徹底的に回避するほどリターンも小さくなるのは資金運用の鉄則といっていい。

 先のあんしんスイッチで言えば、損失を回避するために銀行と結ぶ契約は一種の保険であり、当然、保険料が発生する。さらに基準価額の大幅な値下がりを防止するため、株式の運用比率を低めに抑えて、国債など固定金利商品の比重を高める。あんしんスイッチの資料によると、資産の半分以上を債券が占めており、ファンド全体が大幅安に見舞われにくい半面、大幅高も難しい資産構成となっている。株価が急伸していく局面では、安全装置があるがために利益を獲得するチャンスを逃す可能性もありそうだ。


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