サービスロボットはなぜ美しい女性?気鋭の豪アーティストが問いかける (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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サービスロボットはなぜ美しい女性?気鋭の豪アーティストが問いかける

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桑原和久AERA

Elena Knox/メディアアーティスト。オーストラリア生まれ。2015年、同国でメディアアートの博士号を取得。コミュニケーションメディアの分野でジェンダー・心などをテーマに作品を発表。現在、早稲田大学、大阪大学などでロボットやAIシステムを用いた作品を制作

Elena Knox/メディアアーティスト。オーストラリア生まれ。2015年、同国でメディアアートの博士号を取得。コミュニケーションメディアの分野でジェンダー・心などをテーマに作品を発表。現在、早稲田大学、大阪大学などでロボットやAIシステムを用いた作品を制作

作品名「Occupation」。他にもフェムボットと実際の人間が老いについて語り合う映像など、未来的でファニーな作品を公開中。東京・東日本橋のギャラリー・ハシモトで6月23日(土)まで開催(協力:ハシモトアートオフィス)

作品名「Occupation」。他にもフェムボットと実際の人間が老いについて語り合う映像など、未来的でファニーな作品を公開中。東京・東日本橋のギャラリー・ハシモトで6月23日(土)まで開催(協力:ハシモトアートオフィス)

「このロボットは女性ですが、もし男性のロボットが同じことを言ったら、人々の受け止め方は違うかもしれません(列挙された職業はどれも、男性が支配的な分野である)」

 映像の中のフェムボットは皆、美しい外観を持ち、物腰柔らかに振る舞う。

「ロボットは、男性から見ても女性から見ても好感を持たれるように作られます。ということは、ロボットは私たちの社会にある、女性とはこうあるべきという固定観念を反映しているのです。この作品を通じ、そのことにも気づいてほしかった」というノックス氏。

 フェミニズム本来のスローガン「未来は女性である」は、現在、#Me Tooムーブメントなどの影響もあり、アメリカでリバイバルしているという。今シリーズの他に、AIを使用した作品なども精力的に制作しているノックス氏は、最後にこう結んだ。

「私個人はフェミニズムの思想を支持します。しかし、未来は複雑すぎて予言することは困難です。人間が政治的に進化するスピードよりも、科学が進歩するスピードのほうが速いと感じています。今後は、サイエンスが(社会における)ゲームチェンジャーになるかもしれません」

 精巧に作られたフェムボットは、まるで感情があるように見える。じっと眺めているとコミカルでもあり怖くもある。未来に確証を持てない人間の感情を代弁しているかのようだ。(ライター・桑原和久)

AERA 6月18日号


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