究極のチャーハンレシピついに決着! ご飯の「適温」プロの意見は… (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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究極のチャーハンレシピついに決着! ご飯の「適温」プロの意見は…

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石田かおるAERA#レシピ

パラパたすぎるとパサパサに。しっとりしすぎるとベチャベチャに。「パラパラとしっとりの間」で着地させるのが、チャーハンのポイント(撮影/倉田貴志)

パラパたすぎるとパサパサに。しっとりしすぎるとベチャベチャに。「パラパラとしっとりの間」で着地させるのが、チャーハンのポイント(撮影/倉田貴志)

 チャーハンのレシピは、実にさまざま。あなたは冷やご飯派? 温かいご飯派? レシピの成り立ちまで遡ると、家庭料理の神髄が見えてきた。

*  *  *
 炒めたご飯の上にかつおぶしを投入するとユラユラ舞い、しょうゆをさし入れるとジュッ。フライパンから香ばしさがたちのぼった。湯気の立ったホカホカのチャーハン。わしわしかきこむと、週末の幸せな午後が広がった。

 NHKの「きょうの料理」で57年前に放送された「おかかチャーハン」だ。「月給日前のピンチきりぬけ料理」として、料理研究家の尚(しょう)道子さんが紹介した。尚さんはたこさんウィンナーの考案者で、「おいしゅうございます」で知られた料理記者・岸朝子さんの姉でもある。なぜこんな昔のチャーハンを記者が作ることになったのか。それは編集部のデスク(47)のこんなひと言がきっかけとなった。

「チャーハンってワケわかんない。母親(82)の持ってた江上トミの本には、冷たいご飯で作れって書いてあるのに、最近のレシピは温かいご飯でと書いてあるものが多い。卵も、ご飯より前に炒めるかと思えば、卵とご飯を混ぜて炒めるやり方もあったり。何がチャーハンの正解なのか。白黒はっきりしろ!」

 チャーハンは冷蔵庫の残りものをかき集めて作る、週末の気楽な脱力系料理と思いきや、いつしか複雑系に転身していたのか。チャーハンはどう変遷してきたのか。その手がかりを求めて、家庭の食卓とともに60年を歩んできた「きょうの料理」のレシピをひもとくことにした。デスクの言う江上トミさんは1957年の番組放送開始当初から活躍した、元祖料理研究家だ。

「きょうの料理」で扱われてきたチャーハンの総数は約180。レシピに書かれた「ご飯」の表記を調べてみると、単に「ご飯」と記したものが多いが、60~70年代には「冷やご飯」と書かれたものが目につく。どういうことなのか。40年近く番組制作に携わってきたフリーディレクターの河村明子さん(70)に聞いてみた。

「チャーハンは冷えた残りご飯をおいしく食べられる料理として、家庭で支持されてきましたから。江上トミさんの時代には電子レンジはまだなかったですしね」

「冷やご飯」とは、すなわち「残りご飯」とほぼ同義だ。この頃のテキストをみると、米は鍋で炊き、冷蔵庫のない家庭も少なくない。「残りご飯の活用」はいま以上に切実なテーマだったのだ。


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