経営者は「歴史」に学ぶ(※写真はイメージ)
経営者は「歴史」に学ぶ(※写真はイメージ)

 経営者たちは、企業が対峙する経営的な課題をどう乗り越えてきたのか。その根本を支えていたのは、歴史上の人物や出来事から学びとった考え方だった。社長や会長に歴史にまつわるアンケートを実施した。

●アンケート設問
(1)もっとも好きな「歴史上の人物」
(2)もっとも関心がある「歴史上の出来事」
(3)もっとも好きな「歴史関連の書物」
(4)もっとも好きな「幕末・明治初期に活躍した人物」
(5)ビジネスで参考にした「歴史上の人物や出来事」

*  *  *

●大和ハウス工業会長 樋口武男(ひぐち・たけお)
(1)聖徳太子 
十七条憲法の第1条「和をもって貴しとなす」は、大和ハウスの社名「大いなる和をもって事業を行う」に通じる
(2)明治維新と太平洋戦争
どちらも大きな政治・社会体制の変革であり、現代の日本へ続く大きな転換点になった
(3)『日本史の内幕』(磯田道史)
江戸や幕末の民衆の暮らしぶりが細やかに描かれていて、徳川家康や坂本龍馬などの意外な一面をおもしろく学べる
(4)坂本龍馬 
身分や自己の利益にとらわれず、「民のために」という大きな「志」で国を変えようと考え行動し、実現に貢献した
(5)西郷隆盛の言葉「功績のあるものには禄を与えよ。徳あるものには地位を与えよ」など

●スズケン社長 宮田浩美(みやた・ひろみ)
(1)(4)坂本龍馬 
正しいことに向かい、目標を持って、それを口に出し、やりきる。私自身も「意志を持つことが実現につながる」と思っており、座右の銘を「言行一致」としている。私が理想とする人物像と重なる部分が多い
(2)大政奉還 
明治維新に向かい、日本が大きく変わるきっかけとなったターニングポイント
(3)『竜馬がゆく』(司馬遼太郎) 
友人を大切にし、自分の進むべき道を見誤らずに信念を持って突き進む。何よりポジティブである。いかに魅力的な人物であるか感じ取れる
(5)社長就任以来、社員に期待する基本姿勢として「5つの基本」を掲げている。参考にしたわけではないが、坂本龍馬が残した名言とも相通じるものがある

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