うえむら・かな/1983年、兵庫県出身。2005年にデビューし、10年に「トイレの神様」が大ヒット。アルバム「Definite」がライブ会場限定発売中(写真:本人提供)
うえむら・かな/1983年、兵庫県出身。2005年にデビューし、10年に「トイレの神様」が大ヒット。アルバム「Definite」がライブ会場限定発売中(写真:本人提供)

「トイレの神様」でブレークした歌手の植村花菜さん。彼女は米国に活動の場所を移した今も、“神様”の存在を感じているという。

「花菜(かな)なぁ。トイレには女神様がいて、毎日掃除したら、将来べっぴんさんになれるんやで」

 亡くなったおばあちゃんにこう言われたのは、小学3年生の時。私は子どものころから歌手になることと、気立てのいいお嫁さんになるのが夢でした。ですから、家事や炊事などのお手伝いは喜んでしてたんです。だけどトイレ掃除だけは嫌いでどうしてもやらなかった。そんな時、一緒に暮らすおばあちゃんから言われたのがこの一言。それを聞いた私は、「まじで、おばあちゃん!? トイレ掃除するだけでべっぴんになれるの」と言って、毎日トイレをピカピカに磨くようになりました。この時の思い出を歌にしたのが、「トイレの神様」です。

 どうしてトイレに神様がいると思えたのか? 私は性格がすごく単純なので、おばあちゃんに言われた瞬間、信じちゃったんです(笑)。

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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