2017年の路線価がバブル期を超えた銀座周辺(手前)を含む東京の街並み。地価と相続税額は密接に関係している (c)朝日新聞社
2017年の路線価がバブル期を超えた銀座周辺(手前)を含む東京の街並み。地価と相続税額は密接に関係している (c)朝日新聞社

 路線価、という言葉をご存じだろうか。毎年、国税庁が公表している地価を測る指標で、2017年分は全国平均で2年連続で上昇した。不動産を所有している人はこの路線価によって、相続税が大きく左右されかねない。なぜなら、基本的に宅地の相続税評価額は「路線価×土地面積」で算出するので、路線価が上昇すれば、相続税額も高くなるからだ。

 そこで気になるのは、自分が住む住宅地では、どれほどの広さの一戸建てを所有していると相続税がかかるのか、ということ。相続に関する土地売却サービスも提供するスタイルアクトが「路線価相当額」で試算した数値をもとに、相続税評価額が基礎控除額の3600万円(2次相続で子1人の場合)を超える最小面積を調査し、マップにまとめた。2次相続とは例えば、父の後に母も死亡し、母の財産を子どもだけが受け継ぐ相続のことだ。

 マップは、「首都圏」は1294駅から最小面積200平方メートル以下の212駅を編集部が抽出。

 首都圏で最小面積がいちばん狭いのは、JR山手線の原宿。わずか、2平方メートルの土地で3600万円の評価額になる。15年にスタイルアクトが行った同試算と比較しても3.4倍となっており、地価高騰の象徴的な駅となっている。2位は、神奈川県の横浜。こちらも最小面積7平方メートルと、自宅があればほぼ確実に相続税がかかる。横浜駅のある横浜市西区は路線価の上昇が顕著で、横浜駅西口バスターミナル前通りでは昨年比で15.7%上昇している。20年開業予定で地上26階建てのオフィスビルを建設しており、不動産市場の期待値は高い。

 30平方メートル以下には東京23区、それもJR山手線の内側の駅が並ぶ。吉祥寺、蒲田、川崎、元町・中華街などは都心部から少し離れるが、交通の便がよく、マンション開発も盛んで地価は右肩上がり。15年の試算よりも最小面積が半分以下になった(地価が2倍以上になった)のは、淡路町、白金台、西新宿五丁目、信濃町、蒲田、東中野、神楽坂、赤羽岩淵、浦和美園。スタイルアクトのソリューション事業部、松本裕一さんは言う。

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