もうすでになっているところもありますけれども(笑)。去年まではあれが上手くいったとか、これで成功してたとか…、に縛られると、いろんなものから取り残されていっちゃうんじゃないかなと思います。テクノロジーがものすごいスピードで進化している中で、法の整備が間に合わないという話があるじゃないですか。法律が間に合ってないのに、私たちが間に合うわけないんですよ。自分のことをかいかぶっちゃいけない。

 今日参加してくださった方やこのイベントに応募してくださった方からの質問を、全部読みました。そうしたら質問に傾向があることに気が付いたんです。

『現在の問題の傾向』
◇時間がない
◇モチベーションが足りない
◇やりたいことが分からない
◇バランスがとれない
◇優先順位が付けられない
◇キャリアアップと家族の両立

 思いあたるふしございますね。結局、共通しているのは『足りない』ということじゃないかと。やりたいことが分からないというのも、やりたいことが足りない状態。バランスがとれないというのも、キャパが大きければバランスが取れるということだし。優先順位も一緒です。キャリアップと家族の両立も、誰かからの助けがたりないとか。でも、一番最初の話に戻っていただきたいんですけど、『リソースは有限』なんですよね。

 なので、時間が足りないのは当然。モチベーションが足りないっていうのは、真面目すぎかなと。モチベーション、別になくてもよくない? 

「それいる?」というのをよく考えたほうがいいと思ってます。世の中にはやった気にさせるシステムがたくさんある。カタカナをたくさん使うとか、なんらかのサークルに参加するとか、朝活を否定するわけじゃないけど、やってる気、やってるムードっていうパッケージがたくさん売っているんですよ。あんまりそこ、向上心持ちすぎないほうがいいんじゃないかなと思います。やるなということではなくて、加減が必要かと。

 質問を見てもうひとつ気づいたのは、「それ今に始まったことじゃなくない?」ってことで。これって15歳くらいから悩んでいることですよ。「時間がない」とか、「モチベーションが足りない」とか、「まるで学校の先生と個人面談で話してたことじゃない?」っていう。つまり、解決できないことなわけですよ。解決してこれなかったんじゃなくて、そもそも解決できないこと。その程度の捉え方が健やかだと思いました。

(2017年11月28日開催のAERAイベント「ワーキングウーマンのための“新ライフマネジメント論”」より)