ロハコ、ヨドバシ・ドット・コム、dTV 日本企業が狙うアマゾンの「死角」 (2/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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ロハコ、ヨドバシ・ドット・コム、dTV 日本企業が狙うアマゾンの「死角」

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作田裕史AERA
日本でアマゾンが形成する市場だけで約1.2兆円(売上高)。「死角」を狙ってその市場に挑む企業もあれば、市場の中で「勝ち抜け」を図る企業もある(撮影/写真部・小山幸佑)

日本でアマゾンが形成する市場だけで約1.2兆円(売上高)。「死角」を狙ってその市場に挑む企業もあれば、市場の中で「勝ち抜け」を図る企業もある(撮影/写真部・小山幸佑)

岩田彰一郎(いわた・しょういちろう)/文具メーカー・プラスで、アスクル事業推進室を立ち上げた。1997年にアスクルが分離独立し、社長に就任(撮影/加藤夏子)

岩田彰一郎(いわた・しょういちろう)/文具メーカー・プラスで、アスクル事業推進室を立ち上げた。1997年にアスクルが分離独立し、社長に就任(撮影/加藤夏子)

山脇晋治(やまわき・しんじ)/1995年入社。関西支社の営業戦略担当課長、マーケットビジネス推進部で映像ビジネス担当課長などを経て、現職(撮影/写真部・岸本絢)

山脇晋治(やまわき・しんじ)/1995年入社。関西支社の営業戦略担当課長、マーケットビジネス推進部で映像ビジネス担当課長などを経て、現職(撮影/写真部・岸本絢)

「ビッグデータを独占するのではなく、開放することで社会的価値を創造したい。従来型のマスコミ-マスセールではなく、お客さまの多様なニーズをきめ細かく反映できるスモールサイズの市場でも収益が出るモデルを作っていく。それがメーカーの利益とお客さまの満足を両立させることにつながる」

 アスクルがオフィス向け通販で培った物流システムもロハコの配送に生きている。東京都内の10区、大阪市内の8区で提供中の「ハッピー・オン・タイム」は1時間単位で配達時間を指定できるサービス。配送予定時刻が30分単位で通知され、配送10分前にも通知が届く。

「速さを競うと無理が生じる。お客さまが望むのは『自分が受け取れる時間に確実に届くこと』。ビッグデータとAI(人工知能)を掛け合わせた最適化で再配達率も大幅に減りました」

 と岩田さん。こう続けた。

「アマゾンは学ぶべき点の多い企業ですが、消費者の選択肢がない社会は健全ではない。私たちはよりきめ細かく、気持ちよく、好きになっていただけるサービスの提供に注力します」

 在庫管理、配送をすべて自社で行うことで存在感を発揮する企業もある。1998年、アマゾン日本上陸に先駆けてスタートした国内ECサイト「ヨドバシ・ドット・コム」だ。家電量販店ヨドバシカメラのネット通販だが、取り扱う約510万点のうち家電は2割弱。日用品、食品、飲料などが多くを占める。17年3月期の売上高は約1080億円で前年比1割増。将来的にはグループ全体のネット通販比率を5割にする計画だ。

 物流センターと各店舗で在庫を一元管理し、配送もすべて自社の従業員が担う。当日配送、翌日配送、日時指定便はすべて無料。16年9月から東京23区と一部地域で最短2時間半で商品を届ける「ヨドバシエクストリーム」サービスを始め、スピードでもアマゾンの「プライムナウ」に引けを取らない。

 注文したものは店舗でも受け取れるし、店舗の在庫、展示品の有無もネットで確認できる。リアル店舗との相乗効果は高く、将来は商品知識を持った配送員をそろえて「店舗で購入するのと同じ状態」を作りたいという。藤沢和則副社長は言う。

「配送員が商品の相談から故障などのアフターケアまでできれば、大きな付加価値になる。自社配送なら不可能ではない」


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