パーソナルコンピューターの父、アラン・ケイは言った。「未来を予測するベストな方法は、それを創ることである」(撮影/MIKIKO)
パーソナルコンピューターの父、アラン・ケイは言った。「未来を予測するベストな方法は、それを創ることである」(撮影/MIKIKO)

 2030年。あなたの子どもは何歳だろうか。ちょうどこの頃、社会の中核を担うのは今の中高生だ。AI(人工知能)の進化で仕事も働き方も急速に変わり始めた。変化の加速度を考えると、学校選びの基準もこれまでと大きく違ってくる。もう「教育改革」など待っていては、わが子の成長に間に合わない。AERA 2017年6月5日号では、「AI時代に強い中高一貫・高校選び」を大特集。

 AIの進化で仕事も働き方も急速に変わり始めた。変化の加速度を考えれば、学校選びの基準もこれまでと大きく違ってくるだろう――。

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「いま日本にある仕事の49%はAI(人工知能)に奪われる。弁護士や会計士など『知的』とみなされてきた職業もAIに代替される」

 2015年、そんな「AI脅威論」が話題になった。

 ところが、そのAIやITツールを“使い倒している”弁護士もいる。東京・池袋のコスモポリタン法律事務所。訪ねてみると、高橋喜一所長が対応してくれた。もともとは外資系の金融機関やIT企業でシステム開発をしていたエンジニアで、10年前に弁護士に転じたという。

 高橋弁護士が主に使っているのは、AIベースのチャットツール。事務所の弁護士4人と秘書7人はこれで情報をリアルタイムで共有できるようになり、

「いわゆる報連相(報告・連絡・相談)に費やす時間が劇的に減りました」

●敵なのか、味方なのか

 書類はすべてデータ化。外出先からもスマホで検索・確認できるようにし、経理や労務管理などの事務も自動化した。

「結局、AIの導入で何が変わったかといえば、実は弁護士業務自体は何も変わっていません。ただ事務負担が非常に軽減されたことで、顧客とじっくり話して悩みを聞き出し、法律的な助言をするといった本来の弁護士業務に集中できるようになりました。逆に言うと、これまでは弁護士といいながら、かなりの事務仕事をしていたってことです。いまでも普通の事務所ではそれをやってるわけですが」

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