「恋愛って、友達ができるみたいに“自然発生”しないんですね。正直、頑張って彼女つくるとか面倒くさい。はやりの恋愛アニメ映画を観ましたが、自分はこういうピュアな恋愛はなかったなって」

 会社の後輩に誘われ合コンにも行くが、恋愛に発展することはなく、単に「ネタ」として参加している。それでは一生童貞、一生独身でいいのかと聞くと、そういうわけでもないと言う。

「“子どもを育てること”はしてみたい。でも、自分の子どもが馬鹿だったらイヤだなと思います」

 現在は両親が海外在住のため、妹と2人、川崎の実家で生活をしている。家事は全て妹任せだ。

「自分は仕事をするので、とにかく自由にさせてくれて、面倒をみてくれる相手がいいです」

 モヤモヤする……。恋愛を「頑張ってきた」身としては、失恋もたくさんした。傷ついたとき出合った本や、映画、音楽から新しい世界が広がった経験もした。確かに、付き合うまでの行為は「面倒くさい」が、それ以上に得るものもある。腑に落ちない思いを抱きつつ、次の取材者に話を聞きにいった。

「仲の良い女友達はいます。でも“彼女”になると、誕生日やらイベントやらに気を使わないといけなくなり、面倒くさいです」

 また、「面倒くさい」が出た!と思いつつ、東京都内在住の28歳フリーランスライターのBさんの話に耳を傾ける。

 本県出身のBさんは中学3年の時に初めて彼女ができた。幼なじみで家も近く、小学校高学年から中学の3年間もいっしょに登下校をしていた仲だった。Bさんより少し背が高い華奢なタイプで、告白は彼女のほうからだった。

「うれしかったです。でも、どうすればいいのかわからなかった。手をつなぎたいとも思わなかったので」

 お互いの部屋で、おしゃべりをして終了の「デート」を繰り返した。通常、恋人同士が密室で2人きりになれば、少しはドキドキしたりムラムラしたりすることもあるだろう。案の定、“そういうこと”を期待していた彼女に、「何もしないのは悲しい」と言われたが、Bさんの心は動かず、半年ほどで別れた。

●オナニーは月1程度

 2人目の彼女は高校2年生の時にできた。演劇部の1年後輩で、小柄で華奢なタイプだった。部室で話したり、休日は手をつないだりしてデートをしたが、キスはすることなく、同じく半年ほどで破局。

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