「いつも見てるよ、って声をかけて頂けることも多くて。番組の率直な感想を生で聞けることは非常に貴重です」(坪井さん)

「予定」を捨てることで、自分のペースでじっくり街を歩く時間もできた。人の流れや街の変化を五感で感じ取れるだけでなく、健康にも良く風邪もひかなくなった。まさに“一石三鳥”。

「同じお店でも2度、3度と行くと1度目とは違う深まりがある。番組内でも面白いイベントやスポットを紹介しているので興味が尽きないんです」

 坪井さんが捨てているものは、実はもうひとつある。睡眠時間は4時間と、けっして多くはない。出社時間に合わせるのであればもう少し寝られるところを起床を1時間早めている。

「深夜に放送されたニュース番組のチェックと、100通近く届く報道関係のメールに目を通すためです。寝ている間も世の中は動いているので、その時差をこの時間で埋めています」

 午前1時から始まるキャスターの秒刻みの時間と、昼12時から始まる、時計をつけない自分時間。オンとオフ両方を充実させ、噛み合わせることがカギのようだ。(アエラ編集部)

AERA  2016年4月4日号より抜粋