「子どもたちはつながりを求めて情報や写真を積極的に公開しています。問題なのはSNSのリスクを知る前に道具を手にしてしまう点です」

 匿名で利用し、固有名詞を書かないよう注意していても、個人の特定は簡単にできてしまうという。例えば「体育祭疲れた~」とあればその日体育祭があった学校だとわかるし、「ゲリラ豪雨なう」と書いた人はどのあたりにいるかわかる。

 さらに、GPS内蔵のスマホでは「位置情報サービス」をオフにしておかないと、写真を撮影した場所の緯度・経度が記録され、無料のソフトを使えば自宅の場所なども簡単にわかってしまう。情報が拡散してしまえば、元の投稿を削除しても取り返しがつかない。

 SNSのトラブルに詳しいモバイルコンテンツ審査・運用監視機構の藤川由彦さんも言う。

「すでにネットの世界はバーチャルではなく、リアルな社会と密接に結びついている。断片的な情報をつなぎ合わせれば実名が突き止められるし、一度書いたことは『デジタルタトゥー』と言われるように、半永久的に消えないという意識を持ったほうがいい」(アエラ編集部)
AERA  2016年4月11日号より抜粋