「文庫本の背表紙には、書名、著者名のほかに記号と番号がついているから、持っている本を正しい場所に並べてください。届いた本を棚に出すのは、書店員の大事なお仕事なんです」(北山さん)

 書店員の説明を聞く顔は、真剣だ。子どもたちはランダムに渡された3冊の本と並んでいる本を見くらべながら「わかった!」「あれ?」などと楽しそうに、本を棚に並べていく。知っている作家や好きな作品にあたった子は、うれしそうだ。

 本好きの子どもにはたまらないこのイベント。実は書店サイドにとっても一石二鳥だ。立川といえば、オリオン書房が長年愛されており、数多く出店している。こうしたイベントが、お客さんと書店の距離を縮めるのは間違いないだろう。(ライター・矢内裕子)

AERA 2016年3月21日号より抜粋