「年末に伊勢神宮で一年の穢(けが)れをはらい翌年の国運と会員の運勢を上げる神事を行い、そこから年始の神業会場に移動します。今年は鹿児島県の大隅半島にスペースを借りて5日の早朝まで続きました。深見先生が祝詞(のりと)をあげ、神楽をしたり、その土地土地に伝わる奉納行事を行ったりしますね。例年5千人ぐらいが参加します。月次祭もあるし、お盆の灯籠(とうろう)流しや花火大会などもあります。基本的に神道はお祭り騒ぎですから、派手に思い切り楽しく『ケガレ』をはらい『ハレ』の状態を取り戻すんです」(ワールドメイト会員)

 深見の実家は兵庫県西宮市の酒樽製造業だったが、高校時代に父が兵庫県議選に出馬して落選、深見自身は母親が信仰していた世界救世教に幼い頃から触れ、大本教にも学んだ。同志社大学ではESS(イングリッシュ・スピーキング・ソサエティー)の代表を務めて英語を体得した。76年に卒業、大和ハウスに就職し、公益社団法人「日本紅卍字会」で出会ったメンバーらと前身組織を立ち上げた。

 一方、本名の半田晴久として大学進学予備校「みすず学苑」を78年に東京都杉並区内に設立、現在は首都圏で8校舎に拡大。他にも「たちばな出版」やコンサルタント会社「菱法律経済政治研究所」(菱研、会員約5千人)、高級腕時計の輸入販売を手掛け、経営者として成功を収めている。

 民間信用調査会社の調べでは、グループ企業の年間売上高は国内だけで約70億円、ワールドメイトとしての売上高は昨年3月決算期で120億円に達する。

AERA  2016年1月25日号より抜粋