衆院議員宮崎謙介氏(34)衆院議員金子恵美氏(37)ともに当選2回、派閥も同じ二階派。妊娠中、体調不良の際は、宮崎氏が金子氏の地元・新潟に講演やあいさつ回りに行ったことも(撮影/高井正彦)
衆院議員
宮崎謙介氏(34)
衆院議員
金子恵美氏(37)
ともに当選2回、派閥も同じ二階派。妊娠中、体調不良の際は、宮崎氏が金子氏の地元・新潟に講演やあいさつ回りに行ったことも(撮影/高井正彦)

 自民党の宮崎謙介議員が育休取得の意向を表明すると、批判の声が続出。選挙で選ばれた「議員」であることに加え、「男性」であることが大きい。男性の育休取得率はわずか2.3%。これは世のイクメンが受ける逆風と同じだろう。

 昨年12月、自民党の宮崎謙介衆院議員(34)が、同党で妻の金子恵美衆院議員(37)の出産に合わせて育児休暇を取得する意向を表明した。現段階では2月の出産予定日前後から1カ月程度取得したいと考えているという。宮崎氏は今月6日に、育休取得に向けた勉強会を立ち上げ、現状の問題をこう訴えた。

「女性の社会進出を促しながら、産み育てのすべてを女性に押し付けている」

 国会議員の育休取得に向け、衆議院規則の改正を目指すという。AERAは、渦中の宮崎氏に意図を取材した。

「私も妻も議員。共働き夫婦です。女性が活躍するためには男性の育児参加が必須。議員が率先して育休を取ることで、一石を投じたいと考えました」

 きっかけは、妊娠中の金子氏の体調が芳しくなかったことだ。切迫流産の危機で絶対安静状態になり、激しいつわりもあった。宮崎氏は自分が積極的に育児に参加しなければ、夫婦で議員を続けること自体が難しいのではないかと考えるようになったという。宮崎氏は強調する。

「育児休暇というと休んでいるように聞こえますが、あくまで在宅勤務。電話には常に対応し、重要案件決議の際は必ず出席します。子どもと遊んでいる写真をブログに掲載するだけで『イクメン』と名乗るような、中途半端なことはしたくなかった」

 だが、宮崎氏は6日、自民党国会対策委員会幹部に呼び出され、「国会議員全体の評判を落としている」「生まれてくる子どもを使って名前を売っている」などと注意された。

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