デートは予約制“常識外”が幸せ 同居、恋愛をしない「結婚」の新たな形 (1/5) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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デートは予約制“常識外”が幸せ 同居、恋愛をしない「結婚」の新たな形

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「一生、愛し続けるとは約束できないけど、今はすごく好き。来年もまだお互い好きだったら、結婚していよう」。こんなプロポーズもある(撮影/写真部・大嶋千尋)

「一生、愛し続けるとは約束できないけど、今はすごく好き。来年もまだお互い好きだったら、結婚していよう」。こんなプロポーズもある(撮影/写真部・大嶋千尋)

いつも同じ方向を見ていく。背を向けて支え合う。相手を見つめて補い合う。遠くから見守る。カップルにはそれぞれのスタイルがあっていい(撮影/写真部・大嶋千尋)

いつも同じ方向を見ていく。背を向けて支え合う。相手を見つめて補い合う。遠くから見守る。カップルにはそれぞれのスタイルがあっていい(撮影/写真部・大嶋千尋)

牛窪恵(うしくぼ・めぐみ)/1968年生まれ。マーケティングライター。最新刊に『恋愛しない若者たち~コンビニ化する性とコスパ化する結婚』(写真:本人提供)

牛窪恵(うしくぼ・めぐみ)/1968年生まれ。マーケティングライター。最新刊に『恋愛しない若者たち~コンビニ化する性とコスパ化する結婚』(写真:本人提供)

恋に落ちた相手と、婚姻を届け出て、同居する。それが「夫婦」。そんな常識から外れたら、もっと自由に寄り添えるのではないか。(編集部・小林明子)

 パートナーの自宅の冷蔵庫は開けない。キッチンに立たない。合い鍵も渡さない。デートは3日前までの完全予約制。平日のメールは「事務連絡」のみ。

 自営業のヨウコさん(46)と、IT企業に勤めるタカシさん(46)の暗黙のルールだ。出会いから5年。交際から1年。趣味のアニメや好きな食べものがぴったり合う「かけがえのないパートナー」だが、2人は物理的な距離を、電車で片道1時間から縮めようとしない。

●旅行感覚で家を行き来

「週末に『別宅』を訪ねる小旅行感覚がなくなると、つまらないから」(ヨウコさん)

 もともとインドア派の2人。9月のシルバーウィークは、ヨウコさんがタカシさんの自宅に3泊した。朝はタカシさんがいれるコーヒーとともに共通の好物の「薄皮つぶあんパン(5個入り)」を分け合って食べ、ヨウコさんの自宅にはそろっていない漫画『ジョジョの奇妙な冒険』を読破。眠くなったらタカシさんに布団を敷いてもらい……。もう何十年も連れ添った夫婦のような感覚だが、2人は同居した経験もなければ、婚姻を届け出てもいない。いわば【トモダチ婚】だ。

 ヨウコさんの自宅をタカシさんが訪れるときは、ホストとゲストの役割が逆転する。相手に求めるのは「おもしろさ」(ヨウコさん)、「一緒に食事をして楽しいこと」(タカシさん)。それ以外では縛ったり期待したりしない関係が続いている。

 このまま独身だろうとともに考えていたとき、友人の紹介で出会った。初対面で5時間以上、特撮ヒーローの話題が途切れず意気投合。友達として食事に誘い合ううちに、

「こんなにおもしろい人を手放したら、これからの人生つまらない」

 と直感したヨウコさんがメールで交際を申し込んだ。

 2人とも独身生活が長く、在宅で仕事をしているヨウコさんと、外で勤めているタカシさんでは生活時間帯も異なる。親戚からは「いい加減に結婚しなさい」と言われることもあるが、

「白黒つけないグレーの関係が心地いい。40代になると老後のことも考えるけど、自分の寂しさや不安のために結婚するのは相手に失礼では。10年後のことを2人で話し合ったことはありません」

 国立社会保障・人口問題研究所が2010年に実施した独身者調査によると、18~34歳は独身生活の利点を「行動や生き方が自由」と考えている人が、男女とも圧倒的に多かった。結婚すると相手に合わせる分、自由度はなくなる。その不協和音が離婚の原因になることもある。ならば同居や法律婚をマストとせずに、自由度の高いパートナー関係を築くことはできないか──。


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