※イメージ
※イメージ

 課長を巡る環境が厳しくなっている。管理職でありながらプレーヤーとしての成果も求められるなど、その責任は大きくなるばかりだ。「課長になりたくない若者が増えている」とも言われてきた。しかし、アエラとビズリーチが6月に行った調査では、課長未経験者の6割が「課長を経験してみたい」と回答。「日本のビジネスの強み」「ないと夢を失う」といった声も寄せられた。彼らは課長に何を投影しているのか。

 金融関連企業で管理課長として働く女性(43)の悩みは、会社が規定する課長の役割が曖昧なことだ。部下2人を抱える課長である彼女の職務にも「育成」は含まれない。でも、育てないわけにはいかない。部下の一人に得意とする英語関連の仕事を任せた。書類の英訳に慣れたころ、海外出張の機会も与えた。課長の役割を定義しないまま、「若手には活躍してほしい」と言われても…。

「現場の活気は、課長のエンパワーメントによって生まれるのではないでしょうか」

 経営陣は自社の利益や自分の立場を優先し、現場は目の前の仕事に必死。双方に挟まれた課長は「見て見ぬふり」をするわけにもいかず、会社や部下のために解決策を考える。その様子を見つめる大手保険会社の30代女性もこうつぶやいた。

次のページ