業務を共有しよう!共働きも専業主婦もできるときにやり、他の人の事情を尊重する。ITを活用し、一人ひとりの負担を減らそう……という声も(撮影/写真部・植田真紗美)
業務を共有しよう!
共働きも専業主婦もできるときにやり、他の人の事情を尊重する。ITを活用し、一人ひとりの負担を減らそう……という声も(撮影/写真部・植田真紗美)

 強制的に役員にさせられ、仕事を休んで無償奉仕。伏魔殿のようなPTAは敬遠される存在だ。そんなPTAを変えようと奔走する人もいるが、頓挫する例は少なくない。一方で、参加しやすい仕組みを取り入れ、改革に成功している学校もある。

 会議は平日昼間。仕事があってもPTAを優先して当然。この「鉄板ルール」が、働く親がPTAを敬遠する大きな要因だ。

 東京都江戸川区で料理教室を主宰する棚瀬尚子さん(44)は5年前、公立小のPTA広報委員を担当し、くじ引きで委員長を任された。仕事があって、平日の会議には参加しづらい。PTAの活動内容を全面的に見直し、かかる時間を計算したうえで、委員に細かく割り振った。

 初めての打ち合わせで、「1学期の間、一人2時間だけ手伝ってください。過去にとらわれず仕事を削減します」と訴えた。委員の負担が大幅に減り、歓迎されると思いきや、上がったのは不満の声だった。

「PTA室は母親たちのコミュニケーションの場でもありました。学校に出向くことを楽しみにしていた人たちが、仕事の削減によって存在意義を否定されたと感じたようです」

 結局、改革は1年で頓挫した。

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