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「クリぼっち」生まれた背景に「序列社会」?

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 クリスマスを一人で過ごす人を世間では「クリぼっち」なんて呼んでいるらしい。

 なぜ、今さら、イベントに乗り遅れた独り身たちが話題になるのだろう。クリぼっちという言葉に、揶揄するような響きがあるのも気になる。東京大学大学院総合文化研究科の瀬地山角(せちやまかく)教授に尋ねてみたところ、思わず耳を塞ぎたくなるような答えが返ってきた。

「最近の『非リア』『リア充』などの言葉が表すように、社会の序列化が強まってきているからではないでしょうか」

 例えば、結婚できる、できないは、今や所得格差と結びついているともいわれる。所得以外に容姿などでも勝ち負けをつける傾向にある。

「クリスマスはその序列を強く意識させられる日ともいえます」(瀬地山教授)

 的確な分析で腑に落ちるけれども、クリぼっちなら泣きたくなるだろう。

 一方で、「これだけ独身者が増えているのに、スーパーで個食用鍋は売っていて、ぼっち用のクリスマスケーキがないのはどうして」と男性会社員(41)は疑問を呈する。

 晩婚化、未婚化が進み、内閣府の男女共同参画白書によると50歳で結婚していない生涯未婚率は右肩上がり。2010年には男性で20%を超えた。数が増えれば、序列の構造も変わるのではないか。前出の瀬地山教授は話す。

「生涯未婚率が上がっても結婚したい人は減っていないように、クリぼっちの本音も『来年こそは誰かと』では。開き直れないから、いつまでもつらさが消えないのでしょう」

 ある女性会社員(30)は「彼氏がいなくても焦ってなくて。不満がないのが、不満かな」と達観している様子。デパ地下で限定のクリスマスケーキを予約して、当日に実家で食べるという。ただ、24日は職場からまっすぐ家に帰る。

「イベントは行かない。帰りが夜のいい時間帯になるから」と答えて、はっと気づく。

「気にしていないようで気にしている。私もあっち側(カップル)に行きたいのかも」

 クリぼっちはアイデンティティーになりえない。だから、数が増えても序列に変化は訪れない。現実に打ちひしがれていると、瀬地山教授が救いの一言。

「自由と孤独はセットなんですよ」

 365日のうち、2日間だけ肩身の狭い思いをして、孤独に浸る。クリぼっちは自由の代償だ。

AERA 2014年12月22日号より抜粋


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