息子を職場の「愛されキャラ」に…母親の「野望」 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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息子を職場の「愛されキャラ」に…母親の「野望」

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親世代の価値観よりも10年後、20年後必要な力を育てよ(撮影/鈴木愛子)

親世代の価値観よりも10年後、20年後必要な力を育てよ(撮影/鈴木愛子)

男の子の人間力を磨くにはお手伝いが効果的(撮影/鈴木愛子)

男の子の人間力を磨くにはお手伝いが効果的(撮影/鈴木愛子)

 夫にもっと家事や育児をしてほしいと思っているのに、子育てでは「男は仕事、女は家庭」と無意識に教えていませんか。来るべき時代に備えて、子育ても変化の時を迎えているのかもしれない。

『男の子の育て方』(WAVE出版)などの著書がある諸富祥彦・明治大学文学部教授は、親が描く子どもの理想像は、男の子なら社会で活躍できる活動的なリーダーシップのある子、女の子なら優しくて結婚できる子が多いという。その理由を諸富さんはこう指摘する。

「無意識に自分の親世代の価値観に引きずられてしまっている。母親は実母に評価されるような子育てをしたがる傾向があり、たまたま自分がうまく仕事や家庭を持てたという経験もある。でも、子どもたちが大きくなる時代は、半数が正社員になれず、3分の1が50歳まで未婚になる。そういう社会が来ることを覚悟して、どんな力が必要かを考えて子育てするべきなのです」

 もはや「男子厨房に入らず」の時代ではない。電通総研ママラボの調査によると、子どもに家事を教えたり、一緒にしたりしている母親は、6割を超えている。子どもを小学生に限ると、女子で85.1%、男子でも74.2%にのぼった。家事をさせる理由については、「家事ができた方が、大きくなって苦労しないと思うから」(77.8%)、「人間として必要な知識・能力だと思うから」(73.8%)といった回答が多い。

 千葉県在住のパート従業員の女性Cさん(38)は、小学1年の息子に毎週金曜日、学校で履く上履き洗いを任せている。「お手伝いができる子にするには、最初が肝心だよ」と、ママ友から聞いたからだ。息子は靴底ばかり磨いていて、目に触れるところの汚れは取れていない。けれど「どうせ自分で履くものだから」と、目をつぶって手助けしないと決めている。

 息子は勉強が好きではなく、ならば、お手伝いで「愛されキャラ」に育てようとも考えている。将来、女子に人気があり、職場の先輩たちからも「引っ張ってやりたい」と思われるようになればいい──そんな“野望”をひそかに抱いている。

「せめて相手を不快にさせないコミュニケーション能力と、周囲に感謝できる心が必要。お手伝いの精神は仕事でも家庭でも役立つはず」(Cさん)

AERA 2014年9月1日号より抜粋


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