(撮影/今村拓馬)
(撮影/今村拓馬)
(撮影/今村拓馬)
(撮影/今村拓馬)
(撮影/今村拓馬)
(撮影/今村拓馬)

 グーグル、楽天、サイバーエージェント、DeNA。続々と起業家が輩出する会社がある。起業家を生み出す会社には何があるのか。

 楽天の野田公一・グローバル人事部長は、採用時に「新しいものを作り出すことに価値を見いだせる人か」を重視している。新入社員でも、大きな案件の担当を任せる。

 たとえば楽天市場なら、担当店舗の売り上げを前年より上げるにはどうすればよいか。販促キャンペーンを実施するのか、別の手段をとるのか。プロセスを自分で考えるのは当然だ。

 国境をまたいだ大型企業の買収案件で、若手が活躍した例もある。買収した企業の組織を効率化する。どの人材をどこに配置すべきか。経営者にとって必須のマネジメントを経験する機会を、若手社員にも与える。

 サイバーエージェントには新規事業の立ち上げを“改革”につなげた実績がある。2011年、藤田社長がスマホ分野を中心に「2年間で100事業を立ち上げる」と宣言。これが起爆剤となり、挑戦者が相次いだ。

「壮大なビジョンを掲げつつ、愚直にやり切る人間。そんな人材が独立し、外で活躍しても、不思議ではない」(曽山哲人・人事本部長)

 あえて疑問をぶつけた。「できる人」が社外に出て行ってしまうのは、損失ではないのか。 DeNAを例にとるなら、出て行った人が外で成功を収めることを“やっかまない”。

「若者がチャンスをつかみ、新しいサービスが社会に生まれるなら、DeNAにとっても日本にとってもハッピーじゃないですか」(對馬誠英(つしままさひで)・ヒューマンリソース統括部長)

AERA 2014年7月7日号より抜粋