2月6日、練馬駅前で演説する小泉氏。「福島の事故を見て、過ちを認めて黙っている方が無責任。何かやるべきじゃないかと思った。この運動は我々より、これから若い人たちのための運動だ」(撮影/写真部・工藤隆太郎)
2月6日、練馬駅前で演説する小泉氏。「福島の事故を見て、過ちを認めて黙っている方が無責任。何かやるべきじゃないかと思った。この運動は我々より、これから若い人たちのための運動だ」(撮影/写真部・工藤隆太郎)

元首相連合が参戦した17日間の東京都知事選は、2月9日の投開票で終わりだが、小泉氏が仕掛けた「脱原発」ムーブメントは、まだ序章にすぎない。(編集部 鈴木毅)

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「脱原発」は地方選挙の争点になりうるのか──東京都民の考え方が問われた都知事選が終盤を迎える頃、新たな注目選挙が幕を開けた。安倍晋三首相のお膝元である山口県で6日、知事選(23日投開票)が告示されたのだ。

 年明けに山本繁太郎前知事が病気辞職したことに伴うこの選挙には、元総務官僚の村岡嗣政氏(41、無=自民・公明推薦)、元衆院議員の高邑勉氏(39、無=生活推薦)、前山口県周南市議の藤井直子氏(61、共産)の新顔3人が立候補を届け出た。

●脱原発で山口入り!?●

 地元の自民党関係者が言う。

「県内では、病気で辞職した前知事に『志半ばで可哀想に』と同情する声が大きい。ご存じのように保守王国ですから、大勢が動くようなことはないでしょう。とはいえ、自民の後継候補は山口出身ですが、ずっと東京にいたような人。選挙戦としては盛り上がりもなく、低調な滑り出しです」

 しかし、この粛々と進むはずの選挙が、「脱原発」の次なる主戦場になるかもしれない。地元で計画中の上関原発(中国電力)建設の是非が、争点に浮上する可能性があるのである。

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