小学校ではできたのに、中学校に入ると、がくっと成績が落ちる「中1ギャップ」。教員が教科ごとで替わったり、評価科目に英語が入ったりと劇的な環境変化についていけないのも大きな要因だ。またベネッセ教育総合研究所調査によると「できるはずの中1」が2学期を境に学習面で苦しむケースが多いことが明らかになった。
「中学に入って最初の夏休みに中だるみをしてしまうのと、2学期にあらゆる教科で難易度が高まることが原因と思われます」(主任研究員・樋口健さん)
首都圏の公立中学1年男子も2学期になって成績不振に悩んでいる。期末テストの結果が芳しくなく、特に「英語と数学がやばくなってきた」。小学校の時は成績優秀。中学に入っても1学期のときは、英語のテストで90点を取っていたのに、今回は30点。数学も88点が60点台に下がった。学校では、数学の教師が「ついていけないヤツは置いていく」と宣言したと聞き、母親(39)は、急遽、通わせる塾探しを始めた。
こうした成績急落の原因はなんなのか。千葉県内の公立中学校で数学を担当する教員(30代)は、「中1の壁」の原因は「演習不足」だと話す。