消費動向や国際情勢など、あらゆる側面に影響をもたらす、不況などの「社会不安」。実はこれ、「女性の胸の大きさの好み」にまで影響があるという。その関係とは。

 ゆうメンタルクリニックのゆうきゆう総院長は言う。

「社会不安が増すことにより抑えつけられることが多くなって、男性の自信が低下する。その結果、未成熟と考えられる女性(たとえばバスト的に)を強く求めることで、安心したいという欲求があるのかもしれません」

 社会不安を決定づけたのは08年のリーマン・ショックだ。この後、ブラジャーの流行は一気にナチュラル系に振れる。ワコールが発売した「小さく見せるブラ」が大ヒット。女性のバストをあえて小さく見せることがウリだ。そしてユニクロの「ワイヤレスブラ」など、セクシーすぎず、着けて楽な路線のブラジャーが人気を集めたのだ。

「巨乳でセクシーな女性はお金がかかりそうに見えます。そもそも、一般的にはナチュラル系のブラよりも、バストアップ系のブラのほうが高価。だから不況になるとナチュラル系ブラジャーが女性にも人気になるんです」(青山さん)

 貧乳好きが増えた背景として、明治大学文学部の諸富祥彦教授は、バブル崩壊後の経済的不安による草食系男子の出現も大きく関わっていると分析する。

「精子の濃度は年々平均値が下がっており、男性は中性的になってきている。特に若い人のなかでは女性に全く関心がない人が増えています。結果、彼らは女性にも中性的なものを求めます。それが、未発達なバストを好むことにつながっているのではないでしょうか」

AERA 2013年10月14日号