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人生に「東大」がつきまとうのは面倒? 高学歴の悩み

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 人生のあらゆる場面で出てくる「学歴」。高学歴にはメリットがたくさんあるはず、と思いがちだが、必ずしもそうとも言えないようだ。

 高学歴は不幸になると断言するのは、『「学歴エリート」は暴走する~「東大話法」が蝕む日本人の魂』などの著者、東大教授の安冨歩さんだ。

「他人の目を基準に生きると、自分自身の感覚がわからなくなる。東大、京大レベルの難関大学の入試を突破するには、出題者や採点者が何を聞きたいのか読み解き、答える必要があるので、自分の感覚を殺さねばならない。すると幸福を感じることは、原理的に不可能。それは『魂の傷』なのです」

 その傷は女性より男性のほうが深い。女性の場合は、「できすぎる女は結婚や恋愛に不利」という社会的通念があるため、学歴による万能感を抱きにくい。一方、男性は、高学歴なら就職、収入、出世、結婚、何をとってもプラスに働くという先入観がある。プライドが高くなる一方、挫折したときの不幸感は女性以上かもしれない。

 東大を中退した男性(34)は、入学と同時に目標を見失ったという。周囲には、司法試験や国家公務員試験をパスして、世の中のためになるという「迷いのないポジティブ感」が溢れていたが、ついていけなかった。

「親や親戚、塾の先生などの期待に応えたいと東大に入ったけれど、入ってから何をやりたいか考えたことがなかった」

 6年在籍して中退となった時、入学を一番喜んだ母は精神を病んだ。その後はフリーターになったが、バイトの面接でも、いちいち「東大なのになんで?」と言われるのが嫌で、他大出身などと経歴を偽った。中には東大とわかると、大したことをしていなくても「さすが」と言う人もいて、シラケた。

 今はフリーライターとして、劇団にかかわる。劇団員を見ると、学歴に関係なく、自分の好きなことに打ち込んでいる人生が羨ましいと思うこともある。

「無理をして『東大らしい人生』を送りたいとは全く思わなかった。それでもいちいち『東大』がつきまとうのは面倒です」

AERA 2013年9月2日号


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