産後2カ月から自宅で赤ちゃんの面倒を見ながら働いていた。仕事と夜泣きで睡眠不足が続き、入園の通知が届いた時は育児ノイローゼの一歩手前だった。

 住んでいる区ではこの春、入園できなかった親たちの集団異議申し立てや、待機児童対策を求めるデモが起きた。中には自宅勤務を正直に申請した知人もおり、後ろめたさを感じる。ネット上で、勤務証明書の偽造が詐欺罪にあたった例があると知り、バレたらどうしようとおびえる日々だ。そもそも保育園が足りていれば、こんな思いをしなくて済んだのに──。

 フルタイム共働きでも入園できないケースが珍しくなくなり、保育園に入るための「保活」はここ数年でますます激化。ポイントを上げる“裏技”が口コミで広まる。あまりにも入園が厳しい現実を前に、自衛に走る親たちを責められるだろうか。

AERA 2013年7月8日号