実は今、韓国で日本人は「サル」と暗に、時に公然と揶揄されている。

 2011年、サッカーのアジアカップ準決勝の日韓戦でゴールを決めた韓国の奇誠庸(キ・ソンヨン)選手がカメラの前で左手で顔をかく「サルのまね」をしたのは記憶に新しい。

 非難された彼は、「(所属するスコットランドのチームで試合中)相手チームのファンからサルの鳴き声で馬鹿にされたことがある。その連中に向けてやったことだ」と弁明したが、翌年になると「旭日旗を見て思わず(カッとなって)やった」と発言を翻した(「スタンドに旭日旗はなかった」との指摘も多い)。

 この1月4日、朴槿恵(パク・クネ)氏の大統領当選を受け首相特使として派遣された額賀福志郎元財務相への抗議で、ソウルの金浦(キムポ)空港に押し掛けた右翼活動家らが掲げたのが、日の丸とサルを描いた布だった。

 それにしても、なぜ「サル」なのか?ある韓国人女性の話はこうだ。

「韓国にはサルが生息しておらず、動物園で見るくらい。でも日本にはニホンザルが昔からいて、温泉につかった面白い映像は韓国でもよく知られている。ニホンザルは体が小さく、日本人も体格が全体的に韓国人より小さい。だから日本人イコール、サルとなったみたい」

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