グローバル経済の進展で企業の海外進出は拡大し、英語公用語化の動きもある。英語を学ぶ方法のひとつである、海外留学。しかし、学校選びの際には気を付けなければならない点があるという。専門家に聞いた。

 例えば、米国大学の学士課程留学の場合、経済的で学習負担が比較的少ない方法として、コミュニティ・カレッジ(コミカレ)経由で4年制大学にステップアップするのが一般的だ。ベネッセの高校事業部グローバル事業推進ユニットの藤井雅徳ユニット長によると、まず集中英語学校に3カ月から半年ほど通って英語力をつけ、コミカレに入学。2年間で卒業して、4年制の大学に編入する。

「身の丈に合ったところから始めて、自分の力に合わせてステップアップしていくのがいい。日本の高校で平均点を取っていれば、米国のコミカレにはたいてい入学可能」

 と話すのは「留学ジャーナル」の加藤ゆかり副社長。公立のコミカレならば年間授業料はおおむね7千ドル(約62万円)から1万ドル(約88万円)程度。名門州立大へも門戸は広く開かれているという。

 コミカレは基本的に、地域住民のための一般教育や職業訓練を目的にした大学だ。大学によっては、留学生の受け入れ態勢が整っていない場合もある。また、米国では各州政府が大学の設置認可をするが教育内容の質保証をするわけではないため、昨今はいかがわしい大学が就学実態のない学生に学位を与える「ディプロマミル」といった商法が問題となっている。

 だから大学選びでは、その教育内容を独立した民間の「アクレディテーション(評価認証)団体」に認定されていることが大前提となる。評価認証団体は地域と連邦政府、専門分野の種類があり、全米で計60以上の団体がある。評価認証制度によって米国の大学間での単位互換や編入学を可能にしている。

 ただ、問題をややこしくしているのが認証団体の中に偽団体が交じっていることだ。そこで、評価認証団体を評価認証する「CHEA」がある。ここが認めた評価認証団体のお墨付きがある大学あるいは専門分野であれば、一定レベルの学問的な質保証がされていると考えていい。

AERA 2013年2月4日号