「会員には、近くで携帯を使っていても大丈夫と伝えています。ただ、古いペースメーカーを使っている人がいるかもしれないし、満員電車で携帯が密着するかもわからない。携帯オフを変えてほしいとは思いません」

 一方、前出の中島医師は、こう指摘する。

「正しい知識が大事なのに、電車の呼びかけは『携帯は危ない』という漠然とした不安感を広めている。普通の生活を取り戻すために装着したはずの患者が、怖くて電車に乗れなかったり、ペースメーカーにより生活が制限される逆転現象が起きている」

 無用な恐怖と摩擦を減らすため、携帯オフは満員時に限るのも一案ではないか。

AERA 2013年2月4日号