どこからがいじめ? 「髪型笑われた」で保護者集める 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

どこからがいじめ? 「髪型笑われた」で保護者集める

このエントリーをはてなブックマークに追加
AERA#出産と子育て

 どこからが「いじめ」なのか。大津事件をきっかけに、子どもや保護者がいじめに敏感になる一方、教育現場には混乱が広がっている。

 文部科学省はいじめの定義を「一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの」とし、いじめかどうかの判断には被害者側の気持ちを重視する立場をとっている。このため、本人や保護者から「いじめを受けた」という訴えがあれば、教師は対応を求められる。大津事件以降、いじめを解決しようという意識が高まる中で、学校に寄せられる情報が多くなり、「どこからがいじめなのか」と悩む教師も多い。

 都内の公立中学校に勤める30代の女性教師は、ある生徒が「髪形を笑われた」と訴えたケースでは、関係する生徒と保護者を集め、学校内で謝罪の場を設けた。子どもたちが謝りやすいよう、保護者から口火を切ってほしいと伝え、加害者とされた生徒の親たちは頭を下げたが、納得いかないという視線を向けられたという。

「被害者の前で口には出しませんが『それぐらいのことで?』という気持ちなのでしょう。私も申し訳なくて、つい頭を下げてしまいました」(女性教師)

「いじめがあった」と訴えられたら、加害者・被害者双方から話を聞く。1人に数時間かかることもある。謝罪の場を設定する場合は、関係する生徒と保護者の日程を調整。この学校では学年全体で連携していじめに対応する方針を取っているため、担任のクラス以外でいじめが起きても、聞き取り調査や保護者対応が終わるまで校内で待機することも多い。国や都からの調査も増え、子どもたちは月1回のペースでアンケートに回答し、スクールカウンセラーは1カ月先まで予約が埋まっている状態だという。

「大人が入って解決すれば、再発はほとんどありませんし、悪質ないじめの予防になるかもしれません。でも、生活指導が優先され、真っ先におろそかになるのは授業。はっきり言って、準備をする余裕がありません」(女性教師)

AERA 2012年11月5日号


トップにもどる AERA記事一覧

続きを読む

関連記事関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加
あわせて読みたい あわせて読みたい