フェイスブックでもネット婚活でも自分の写真をアップする時代。就活だって見た目の印象は大きい。

「いまは自分自身をプレゼンする時代で、この写真を誰が見るかを意識することが大事です」

 と、スタジオ☆ディーバ(東京・千駄木)の山口直也代表は強調する。

 就活写真なら、美しければ満点、というわけではない。ポイントは意欲や知性が伝わり、清潔感があること。各業界に合ったメークや服装、表情など社会人として空気を読めるセンスも問われる。たとえば食品業界は清潔感を強調するため、男女とも髪で顔が隠れないようにし、男子は襟足が見えないようにするなど髪形に気を配ったほうがいい。堅実さが求められる金融業界も髪形できちんと感を出すべき。サービス業は、親しみやすさを感じてもらうよう歯を見せて笑うなどと、ディーバではアドバイスしている。

 写真が鍵を握るといえば、なんといっても婚活。特にいま利用者が増えているネット婚活では、「選ばれる」ためには第一印象が重要だ。婚活サイト「match.com」の担当者、高瀬麻里さんによると、写真付きのプロフィルを掲載したほうが、写真なしよりもメールをもらう確率が15倍高くなるという。

「Yahoo!お見合い」を担当する髙田康太さんも、「プロフィルでは写真が最も重要」と強調する。なのに、写真に無頓着な男性が多すぎると嘆く。

 実際にサイトを見ると、男性は笑顔の写真が10人に1人程度。同社では、毎週のように「成功率アップセミナー」を開いて、会員に写真写りのコツを伝授し、希望者には撮影の機会も設けている。セミナーの講師を務める写真家の高田由和さんは、

「男性は写真の影を利用して、精悍さを表現できる。鼻を中心に左右に1センチずつ顔の角度をずらして100枚以上撮り、影を調整しましょう」

AERA 2012年9月24日号