吉田修一が「夫婦、愛人、家とは何か」に踏み込んだ『愛に乱暴』 〈BOOKSTAND〉|AERA dot. (アエラドット)

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吉田修一が「夫婦、愛人、家とは何か」に踏み込んだ『愛に乱暴』

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 6月20日から開催される第35回モスクワ国際映画祭に『さよなら渓谷』の出品が決まりました。同作は、『悪人』『横道世之介』など、名作を発表し続ける人気作家・吉田修一氏の小説が原作。主演は真木よう子です。



 モスクワ国際映画祭では、過去にも宮沢りえをはじめ、市川実和子、大竹しのぶが最優秀女優賞を受賞するなど日本人女優と相性が良い映画祭。世界4大映画祭ともいわれるモスクワで、真木よう子がどう評価されるか、注目が集まるところです。



 『さよなら渓谷』は、ある渓谷で起こった幼児殺害事件をきっかけに、レイプ事件の被害者と加害者が夫婦であったことが明らかになるというもの。そんな複雑な設定のなかから、男女の究極の愛を描くという、吉田氏ならではの「人」にこだわった作品となっています。



 吉田氏の作品は、デビュー以来「ひとが誰かと繋がること」を突き詰めてきました。そして、5月22日に発売された最新作『愛に乱暴』もまた、その繋がりのトラブルに直面した女性が主人公となっています。



 桃子はカルチャーセンターで働く既婚者。気になっていた夫の浮気が明るみになり、監視が厳しかった姑の視線も無視できなくなってきました。様々なトラブルが重なり、健気で美しかった桃子は不可解な衝動にかられ、禁断のモノを手にとってしまうのです......。



 物語の冒頭では、「どこからが不倫になるのか」「毎週のように風俗に通っている旦那と、別の女とプラトニックな純愛をしている旦那ではどちらが良いか」など、若々しい会話から始まりますが、次第に、大人が狂乱する姿が描かれるように。



 同作は、吉田修一氏が、「夫婦とは何か、愛人とは何か、家とは何か」というテーマに挑んだ意欲作。妻・桃子が欲していたある言葉が、ラストで明かされます。


(記事提供:BOOK STAND)

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