「X警官は現金送付を一旦は明確に否認する偽証をした」

「X警官が現金送付という不当極まりない便宜供与をして、それを否認する偽証をした。証言は到底信用できない」

 そして、X警官ら愛知県警の捜査を裁判所は強く非難した。

「不正が行われた疑いを強く生じさせる」

「遵法精神が著しく鈍麻している」

 そして無罪判決を下した。元東京地検特捜部の検事、落合洋司弁護士はこう語る。

「私も名古屋地検にいた時、愛知県警の捜査が荒っぽいと感じました。ある事件で、簡単に発見される場所から覚せい剤が押収され、警官が置いたんじゃないかと疑われた。案の定、その事件は無罪になった。今回の場合、採尿前に5時間も紙コップで20~30杯もお茶や水を飲ませたことは捜査でわかっていたはず。その時点で、検察は起訴をやめるべきだった。裁判所がここまで厳しい判決を書くというのは、普段から愛知県警の捜査をかなり疑っていると感じました」
(本誌取材班)
※週刊朝日オンライン限定記事