【アカデミー作品賞受賞】「パラサイト」ポン・ジュノ監督が語る“韓国の狂気” (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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【アカデミー作品賞受賞】「パラサイト」ポン・ジュノ監督が語る“韓国の狂気”

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高野裕子週刊朝日
ポン・ジュノ監督 (c)朝日新聞社

ポン・ジュノ監督 (c)朝日新聞社

 米国映画最大の祭典であるアカデミー賞で韓国映画『パラサイト 半地下の家族』が作品賞含む4部門に輝いた。英語以外の作品が作品賞を取るのは初めてで、歴史に残る快挙となった。日本でもすでに10億円を超える興行収入を突破したほか、世界中で「パラサイト現象」が起きている。なぜ、この映画は多くの人に受け入れられたのか。ジュノ監督がリアルな韓国の格差を語った。

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──本作のテーマについて教えてください。本作は現代の変動する韓国を斬る、という意味合いもあるのでしょうか。

「韓国は近年大きな経済的な成長をとげ、K-POPや人気テレビ番組が世界的にも有名になりました。それも現実ですが、韓国社会の頂点階級と最下層階級というのは、そういったテレビなどにほとんど登場しないもうひとつの現実です。韓国社会は時々火の玉のような狂気的な事件が、突然噴火しては消える社会です。この映画もそんな感じで極端と言えば極端な例かもしれませんが、同時にドキュメンタリーのような視点で見ることもできます」

──そういった韓国社会の狂気はどこから来ると思いますか?

「具体的にどこから、というふうに私には言えません。この映画に登場するのは私が作り上げた創作の世界です。実際の韓国社会は、私が創り出した社会よりはずっと健康的です(笑)。この物語は現代の残酷おとぎ話なのかと質問されました。おとぎ話という形式をとることで、現代社会の真実を描くことができると思います。私個人の視点が反映され、私の偏見というのも入っていますが、社会の本質に触れることができると思います」
(c)2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED

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──深刻なテーマを笑いを交えて描くというのは、どれくらいあなたにとって大切ですか?

「この映画に登場するのは私の周囲にいるような人たちです。彼らが深刻なのではなく、彼らを取り巻く状況が深刻なのです。脚本を書く場合、キャラクターについてかなり構想を練ります。それは、まな板の上に置いて解剖するような作業ではなく、彼らが昔からの知り合いであるというような形で扱うことを重視しています」


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