高見沢俊彦さん(撮影/木村哲夫)
高見沢俊彦さん(撮影/木村哲夫)

 日本最古の総合週刊誌である「週刊朝日」は今号をもって休刊します。休刊にあたって本誌ゆかりのTHE ALFEE・高見沢俊彦さんが、THE ALFEEが取り上げられたコラムを回想していただきました。

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「週刊朝日」は兄が読んでいたこともあり、家に必ずありましたので、僕も学生の頃からずっと読み続けています。いまも毎週買っていますよ。背伸びしている高校生だったので「朝日ジャーナル」も読んでいました。

 週刊誌は同じ記事(テーマ)だったとしても、書き手によって切り口が違うので、なるほどこんなものの見方もあるのかと比較をしながら読んでいましたね。

 いちばん印象に残っているのは、昨年10月の、ミッツ・マングローブさんのコラム(「アイドルを性せ!」)です。このとき、アルフィーを取り上げてくれて、その内容にすごく感動したんです。

「例えば尾崎豊やBOOWYのような神格化や、ユーミンやサザンのような征服感もなく、ひたすら『THE ALFEE』は粛々と歩みを進めてきました」

 読んだ瞬間、そうそう、これなんだよねって思いましたよ。貫禄のないバンドみたいな(笑)。僕もそこがアルフィーの良さだと思っているので、とても共感しました。ミッツさんには何度かお会いしたことはありましたが、ここまでアルフィーのことを理解してくれているとは思わず、ホントに嬉しかったです。分析力のある文が、特に素晴らしい! 今年2月、オールナイトニッポン55周年記念で「THE ALFEEのオールナイトニッポン」が放送されましたが、その際も番組内でこのミッツさんのアルフィーのコラムを僕が読み上げたんですよ(笑)。桜井(賢)はまだ知らなかったし、リスナーの方にも聞いてもらいたくて。

 あと、そのコラムにミッツさんは「今回の『週刊朝日表紙事件』」って書いていたんですが、ほんとに事件だったんですよね。僕らが週刊誌の表紙を飾ったのは、昨年の「週刊朝日」が初めてでしたからね。

 他の連載コラムも好きでしたよ。古くは、ナンシー関さんの「小耳にはさもう」とか。相当辛辣でしたが、あの切り口はナンシーさんならではでしたからね。嵐山光三郎さんの「コンセント抜いたか」、東海林さだおさんの「あれも食いたい これも食いたい」、山田美保子さんの「楽屋の流行りモノ」、最近では武田砂鉄さんの「今週のわだかまり」が面白い。

 みなさんのさまざまな知見が刺激になっていたので、休刊はとても残念です。いつか僕も週刊朝日でコラムが持てたらいいな、なんて思っていたんですけどね。

(取材・構成/谷口由記)

週刊朝日  2023年6月9日号